光沢感を追及|ステンレスの鏡面加工で高い意匠性を

ステンレスの鏡面加工を得意としております

ハーベストではステンレスの鏡面加工を一つの得意技術としております。

溶接箇所も丁寧に仕上げ、金物全体を美しく仕上げます。R加工品など難易度の高い製品もお任せください。
 
ハイブランド店舗向けの什器など、多くの製造実績がございます。

金物製作はハーベストへご相談ください

ハーベストではラグジュアリーな雰囲気の空間に使用いただくような、高級感のある仕上がりの金物製作を得意としております。
金属だけでなく、異素材を組み合わせたご提案・製造も可能です。
 
「こういったものが作りたい」などのご要望をお気軽にお聞かせください。
3Dモデルによるすり合わせにより、製品構想、設計開発段階から一貫でサポートいたします。

鏡面加工とは

ステンレスと聞くと「表面が鏡のようにピカピカしている」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、その表面は金属の地肌ではなく後から表面を磨いて作るものです。このような表面を鏡面といい、鏡面に仕上げるための加工を鏡面加工といいます。
 
一口に鏡面仕上げといっても、次のようにいくつかの種類があります。
 

  • BA:鏡面に近い光沢を持っており、自動車や家電で使用される
  • #400:BAに近い光沢を持っており、建材や厨房用品で使用される
  • No.7:高い反射率を持つ準鏡面仕上げで、建材や装飾用部品に使用される
  • No.8:No.7から研磨目(研磨による模様)をなくしたもので、No.7の用途の他に反射鏡にも使用される

 
このように鏡面加工されたステンレスは、私たちの生活のあらゆる場所で使用されています。
 

加工による効果

鏡面加工による得られる効果は主に二つあります。

光沢感の演出

最も分かりやすい効果は光沢感を出すことです。世の中にある商品は、基本的に購買者を想定して作られています。そのため、購買者の属性によっては高級感が必要になる、あるいは高級感を出すためにコストをかけられる商品があります。そういった商品のイメージや価値を向上させるためには光沢が重要です。また、大衆品であってもiPod touchの裏面などデザイン性を重視して鏡面仕上げを採用することがあります。
 
一方、光沢には見た目以外のメリットもあります。厨房機器など水滴や食材がつきやすい場所で使用する場合にも鏡面加工は効果を発揮します。鏡面加工は表面の凹凸や傷が少ないため、水分や汚れが落ちやすいのが特徴です。そのため、比較的楽に清掃できて現場の負荷を小さくできます。

加工性の向上

ステンレスの表面仕上げにはいくつか種類があり、そのうちの一つがヘアライン(HL)です。ヘアラインとは一定方向に髪の毛が流れるような線状の細かい模様(ライン)があるものです。表面の凸凹が目立たなくなったり、鈍い光沢がまた違った感じの高級感を表現したりと、見た目の効果があります。
 
ヘアラインを行うためには、その下地として表面の傷を一定以下になくす必要があります。ヘアラインの準備として鏡面仕上げを行うことで、意匠性の高いデザインを表現できます。
 

ステンレス鏡面加工の種類

バフ研磨

研磨と聞くと、砥石など硬いもので磨くイメージを持つかもしれません。しかし、バフ研磨ではバフと呼ばれるウールやスポンジでできた柔らかいものを使って磨きます。柔らかいバフに研磨剤やワックスを付けて磨くと、表面を傷つけることなくきれいに磨けるのです。
 
バフ研磨をすると表面のバリや汚れを落とすだけでなく、表面の凹凸や細かい傷を均せます。それを繰り返すことにより、結果的に鏡面加工ができます。バフ研磨も通常の研磨と同様に、粗目から細目まで少しずつ番手を上げていく必要があるのです。研磨の粗さによって工程は次のように分かれます。

  • 粗研磨
  • 中研磨
  • 仕上げ研磨
  • 鏡面研磨

なお、鏡面研磨では#600以降のバフを使用します。
 
また、バフと一口に言っても、ウールバフ、スポンジバフ、麻バフ、布バフなどと種類はいくつかあります。
 
ウールバフは羊毛で作ったバフのことで、強い研磨力が特徴です。粗研磨など、比較的多く磨きたいときに使用します。一方、スポンジバフはウレタン素材のスポンジでできており、ウールバフに比べると研磨力は劣ります。スポンジバフの中でも中目、細目、極細目と分かれており、状況に応じた使い分けが必要です。麻バフも比較的研磨力があり、粗研磨に使用されます。布バフとはタオルや不織布などで作られたバフのことで、バフの中でも柔らかいのが特徴です。

電解研磨

バフ研磨は非常に質の高い鏡面が得られる一方、比較的手間がかかります。前述のように鏡面加工の目的には、光沢の他に加工性の向上があります。そのため、必ずしもバフ研磨のような光沢が必要になるわけではありません。
 
そのようなときに有効なのが電解研磨です。電解研磨では母材を電解液に浸しておき、直流電流を流すことで研磨を行います。具体的には直流電源の陽極に母材をつなぎ、陰極側に別の金属をつなぎます。この状態で直流電流を流すと、陽極につないだ母材の表面が研磨されるのです。
 
電子は電流とは反対の動きをするため、陽極につないだ母材は電子を受け取ろうとします。この時、イオンが電解液に溶け出して母材表面に厚さの不均一な酸化膜が形成されます。薄い酸化膜ほど電流が流れやすいため、電流の流れやすい場所から表面が溶かされていくのです。やがて表面が平滑になるころには電流が流れにくくなり、不動態皮膜が形成されます。この一連の流れが電解研磨です。
 
ちなみに電解研磨では電子の動きにより、溶解の進み具合が異なります。例えば箱状の母材を電解研磨するときは、母材の周辺だけに陰極につないだ金属を配置するのではなく、開口部がある場合は箱の内側にも配置すると全体が一様に溶けやすくなります。
 
電解研磨と似た現象に電解めっきがあります。電解研磨では母材を陽極につなぎましたが、電解めっきでは母材を陰極につなぎます。そのため、電解研磨では表面が溶けていったのに対して、電解めっきでは表面にめっきが形成されるのです。

鏡面切削加工

ステンレスの鏡面加工を行う手段は研磨だけではありません。超精密切削加工を行うことで母材表面を鏡面加工できます。ちなみに超精密加工とは1nm(10億分の1mm=ナノスケール)のことをいい、仕上げ加工や研磨加工を必要としません。
 
鏡面切削加工の特徴として工数の短縮が挙げられます。切削を行った後研磨を行うと、その分余計に工数がかかります。もちろん、鏡面切削加工においても切削と研磨を同じ切削条件ではできず、研磨の方が低効率になるのは事実です。しかし、トータルで考えると、一つの工程で研磨まで行える方が効率的です。
 
また、部品の形状によってはバフが入らなかったり、電解研磨を行っても研磨しづらい箇所があります。研磨に使用するエンドミルは小さく細いため、比較的複雑な形状でも鏡面加工できるのです。

鏡面加工時の注意点

鏡面加工は表面の光沢を出したり、ヘアラインなどの表面処理の準備として必要です。しかし、表面がきれいになるため、傷や錆、そして指紋などが反対に目立ちやすくなるというデメリットがあります。
 
また、当然ですが工程が増える分、コストが高くなり納期は長くなります。鏡面切削加工であれば比較的短い納期で加工できるかもしれませんが、それでも鏡面加工を行わない場合と比べると納期は長くなります(もちろんコストも高くなります)。

鏡面加工を施したステンレスの用途

装飾金物・什器

空港のラウンジや高級自動車ディーラーなど、利用者がくつろげる空間に行くと金属製(ステンレス製)の金物や什器があります。これらは鏡面加工を施されて高級感があるばかりでなく、間接照明と組み合わせてやさしい雰囲気を演出しています。
 

調理機器

飲食店の厨房にある調理機器や厨房機器でも鏡面加工されたステンレスが使用されています。調理機器における鏡面加工の意味は、汚れを落としやすくしたり耐食性を上げたりすることです。
 

各種サイン

鉄道の駅や空港、それにイベントホールやコンベンションホールなどの公共施設では、出入り口や道順を案内するためのサイン(看板)があります。鏡面加工されたステンレスを使用することにより、老若男女に受け入れやすい清潔感のあるデザインを実現しています。
 

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