什器を特注した方が良いケース

昨今、マーケティングにおいては顧客（ターゲット）の絞り込みが重視されています。そのため、店舗のインテリアを顧客の属性に合わせて好まれるようにすることで、商品やサービス以外の面での満足度が上がります。
 
顧客は商品やサービス以外にも、什器をはじめとした店舗の雰囲気、空間トータルでお店を評価します。独自のオブジェや、ブランドのコンセプトに合わせた什器で店内を統一することで自社ならではの個性を演出することが可能です。
 

顧客の購買意欲を引き立てる

什器は決して商品やサービスの本質ではありません。顧客に満足してもらうためには、やはり品質の高い商品やサービスの品質が必要です。しかし、入店直後に感じる外の世界とは異なる雰囲気や商品を選ぶ途中で目に入る空間、また商品を陳列するための棚など顧客は無意識のうちに店舗をトータルで評価します。
 
このとき、什器が足を引っ張るのはもったいないことです。むしろ「この店舗でぜひ商品を買いたい」「この店舗のメンバーになって質の高いサービスを受けたい」と思ってもらえる。そのような什器が商品購入やサービス契約の後押しをすることもあります。

什器の活用シーン

アパレル

高級アパレルショップにおいて、顧客はまず購入しようとしている衣服が目に入ります。しかし、それと同様に衣服が飾られているディスプレイ什器や、それが作る雰囲気も感じ取るでしょう。店舗の雰囲気は顧客にとって憧れの対象であり、自らのステータスも示すものです。そのため、商品と同様に什器の品質にも力を入れる必要があります。
 

美容室

美容室にもさまざまなコンセプトの空間がありますが、白やシルバーを基調とした空間づくりをするなら、ステンレスの什器はその店舗に馴染むでしょう。例えば、打ちっぱなしのコンクリートに近いような壁や床、そして剥き出しの梁に照明を付けただけのような店舗にはステンレスの什器が似合います。具体的にはステンレス製の脚を採用したチェアや、鏡面加工したステンレスパネルで縁取りした鏡など、什器はシンプルな空間作りに欠かせないアイテムです
 

紳士靴店

革靴を扱うような紳士靴店においては、商品を陳列する什器（ディスプレイ什器）にも店舗空間との相性が求められます。むしろ、ディスプレイ什器は体積が大きいため、店舗空間の雰囲気を決めるアイテムの一つかもしれません。紳士靴店の雰囲気作りの手法はさまざまですが、その一つに革や木を連想させる柔らかいブラウンを基調としたものがあります。このような店舗空間では、ディスプレイ什器も同じ雰囲気のものにすると良いでしょう。ただし、すべてを木材など天然素材で作る必要はありません。フレームを金属で作り、木製の化粧板を取り付けるという方法でも上質な什器を作れます。また、間接照明を使うことで商品（革靴）の良さを引き立たせることができるでしょう。
 

オーダースーツ専門店

オーダースーツ専門店にも、さまざまな什器があります。縫製前の生地を飾る棚、サンプルとして縫製したスーツを飾るラック、ほかにもネクタイやタイピンなど小物を飾るショーケースも必要です。オーダースーツ専門店は、店員と顧客の対話によって一着のスーツを作り上げる貴重な場所です。このような店舗では商品の良さを際立たせる華やかな什器や、一方で落ち着きを表現する木製など柔らかい色の化粧板が必要となるでしょう。金属のフレームや、他の材料を組み合わせることにより、必要な機能と雰囲気を持ち合わせた什器が製作できます。
 

弁護士事務所

弁護士事務所を利用する方は、法律トラブルに巻き込まれて感情が不安定になっています。そのため、机や椅子など体に触れるものから、階段の手摺や壁、天井など目に入るものまで、不安な心を落ち着かせるような効果が必要です。また、富裕層向けの法律事務所であればなおのこと、顧客が普段目にするものと什器の品質をそろえる必要があります。金属のフレームと木材やガラス、あるいは石を組み合わせることでリラックス効果を与えられる質の高い空間を作れます。
 

クリニック

クリニックはセンシティブな場所であるため、空間づくりにも気を遣うでしょう。来院者に安心して過ごしてもらえるよう、落ち着いた空間づくりが求められます。金属だけでなく、石や木材など高級感と安心感のある天然素材を用いることで、顧客に安心感を与えられます。間接照明を使用することでより柔らかい雰囲気を作ることも可能です。
 

高級自動車ディーラー

高級自動車ディーラーでは、整備を待つ時間や車を選ぶ時間を快適に過ごしてもらえるように考えられています。このような店舗ではプライベート感のある商談スペースのほか、自動車のカラーやオプションを可視化できるバーチャルショールーム、それに関連グッズを展示するためのコーナーがあります。いずれのスペースにおいても雰囲気にあった什器をそろえると良いでしょう。例えば、商談スペースやバーチャルショールームには落ち着いて過ごせるようなデスクとチェアが似合います。また、関連グッズのコーナーではそれぞれのグッズをより引き立たせるようなディスプレイ什器が似合うでしょう。